研究課題/領域番号 |
23540170
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研究機関 | 京都産業大学 |
研究代表者 |
辻井 芳樹 京都産業大学, 理学部, 教授 (90065871)
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キーワード | フラクタル分解 / スピングラス |
研究概要 |
1.Random iteration algorithm から定まるフラクタル上の測度のマルチフラクタル分解に関して、Cawley and Mauldin(1992)の結果を含む一般的なマルチフラクタル分解を考察。昨年度に引き続き、表題「Spin-glass Theory of Random Iteration Algorithm」の論文を準備中。2種類の確率を定めるパラメータ(q,s)とマルチフラクタル分解のパラメータ(α、γ)の関係について数値実験を含む研究を行った。 2.上記1の結果を相互帰納的不変集合に対して拡張。昨年に続き表題「Multifractal decomposition of mutual-recursive sets corresponding to two measures」の論文を準備中。Edgar and Mauldin(1992)の結果を含んでいる。 3.本研究の発端である解析学における計算可能性の分野では、イギリス、ケンブリッジで開催されたCCA2012で、連携研究員の八杉満利子名誉教授、森隆一教授と共著の論文「Computability of probability distributions and characteristic functions」発表した。現在は雑誌に投稿中。 4.2012年にシドニーで開催されたBachellier Finance Society 7th World Conngress において、名古屋市立大学宮原孝夫教授と共著の論文「Application of Risk-Sensitive Value Measure Method to Portfolio Evaluation Problems」を発表。各資産の価格がフラクタルな要因により相互に関係している場合のポートフォリオ理論である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は23年度に残された計画および24年度に計画していた分野に関しての研究を進めた。当初計画したすべての項目について成果を得ることが出来なかったが、本質的な項目に関してはほぼ順調に結果を得ている。 また論文を投稿するまでの準備が出来ていないものがある。
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今後の研究の推進方策 |
1 2013年7月にフランス・ナンシーで開催される国際会Tenth International Conference on Computability and Complexity in Analysisに参加を予定している。投稿論文は T. Mori, Y. Tsujii and M. Yasugi, “Levy computability of probability distribution functions”である。参加者との建設的な交流を図り本研究の推進を目指す。 2 連携研究者の八杉名誉教授、森教授と定期的にセミナーを実施。計算可能性の視野からの研究を進める。 3 予算の余裕があれば、23年度に京都産業大学で開催した研究集会「数理現象における多様な解析的アプローチの研究」を実施する予定である。また京都大学で随時開催している研究集会「CA京都」に参加、共同研究を進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度は1回の海外出張を予定している。本研究の発端となったComputabilityの研究集会であるInternational Conference on Computability and Complexity in Analysis はフランス・ナンシーで開催される。連携研究員の八杉満利子名誉教授、森隆一教授と共同研究の成果発表予定している。 上記国際会議に出席するために、前年度の予算から約40万円を繰越した。次年度の研究費と合わせて国際会議に出席のために使用する。次年度は海外出張旅費が予算の大半を占める予定である。
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