本研究課題では、偏微分方程式の逆問題のうち、主として波動方程式のソース逆問題およびHelmholtz方程式の境界逆問題について、その解の直接的構成法を研究すると共に、その数値的実装法の開発を行った。波動方程式のソース逆問題については3種類の reciprocity gap functional を利用することにより、(a)固定された点波源、(b)移動する点波源、および(c)ゆっくり移動する双極子波源の直接的数値解法を開発した。またHelmholtz 方程式の境界逆問題について、囲い込み法における指示関数の対数微分を利用する解法を開発し、その数値的特性について詳細な分析を行った。
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