今後の研究の推進方策 |
今回の研究では、整数論やquantum graph, quantum walkの知識が必要なため、グラフゼータに絡む整数論、quantum graph, quantum walkや、統計物理に離散数学の絡む専門書を購入したい。グラフゼータとその周辺の研究は、今、数学の中だけでなく、物理の分野と深い、繋がりがあることが判明しつつあり、グラフゼータを含む領域の国際シンポジウムに出席して、最新の情報を手に入れたい。具体的には、 (1) 関数解析の本を読んで、作用素の行列式について勉強し、新たな無限グラフのBartholdiゼータ関数の行列式表示を模索する。 (2) PGLn(F)のBruhat-Tits buildingのゼータ関数の行列式表示を、Bartholdiゼータ関数に一般化する。 (3)正則グラフと半正則2部グラフの重み付きゼータについてセルバーグ型の跡公式を導き、極の偏角の分布を考察する。また、いろいろなグラフゼータを利用して、2次体の整数論や、砂田によるリーマン多様体の類体論等の被覆グラフ版を模索する。 (4)物理との関連では, いろいろなグラフゼータや、Smilanskyの手法、渡辺&福水の手法を用いて、hypergraphのcoveringのBethe free energyのヘッシアンの分解公式、quantum graphのscattering matrixに関する行列式の種々の公式の別証明等、物理への応用を考える。また、量子ウォークや、それに関連する本を読んで、グラフ上の離散時間量子ウォークのいろいろな遷移行列の特性多項式やそのスペクトルを考察し、それらを通して、新たなグラフゼータを模索したい。
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