研究課題/領域番号 |
23540181
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
TRUSHIN Igor 東北大学, 国際教育院, 准教授 (80600337)
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研究分担者 |
久保 英夫 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (50283346)
望月 清 首都大学東京, 理工学研究科, 名誉教授 (80026773)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 関数方程式 / 散乱理論 |
研究概要 |
ナノテクノロジを理論的に理解するにあたり、メゾスコピック領域においてグラフ上微分方程式は大切なモデルになる。本研究はループを含む量子グラフと星型のグラフに対するポテンシャル散乱の逆問題を追究する、グラフ上微分方程式の研究である。散乱関数(散乱行列)は Heisenberg の定義に従い, 定常的に定義されている。 物理的により正当化できる散乱行列の時間に依存する定義は Moller によって与えられており, 半直線上の Schrodinger 作用素の場合には両者が一致することが Faddeyev-Seckler によって示されている。逆散乱理論の目的はポテンシャルの一意性、再構成の方法、再構成の安定性、さらに散乱特性評価である。そこで、本研究では、ポテンシャル再構成をするため、Marchenko の基本方程式を導き出すものとする。Marchenko の基本方程式は一意に解けるので、ポテンシャルの一意性と安定性の証明ができ、散乱データの特性評価が可能となる。2011年度は以下研究を行った:1.本研究ではループを含む量子グラフと星型のグラフに対するポテンシャル散乱行列を元にしたポテンシャルの一意性と再構成の方法。2.星型のグラフ上Schrodinger 作用素については逆散乱理論をもとにした非線形方程式。3.ループを含む一般のグラフ上Schrodinger 作用素の散乱行列の特性評価。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1.2011年度の計画のとおり、本研究ではループを含む量子グラフと星型のグラフに対するポテンシャル散乱行列を元にポテンシャール再構成をすることができ、2012年度も引き続き予定通り研究を続ける。2.星型のグラフ上Schrodinger 作用素については逆散乱理論をもとに非線形方程式を研究した。3.ループを含む一般のグラフ上Schrodinger 作用素の散乱行列を導き出した。
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今後の研究の推進方策 |
研究結果を論文と発表によって推進する。2012年に論文2本を投函し、Novosibirsk Universityにおける学会で発表する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度使用額は、今年度の研究を効率的に推進したことに伴い発生した未使用額であり平成24年度請求額とあわせ、次年度に計画している研究の遂行に使用する予定である。
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