研究課題/領域番号 |
23540181
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
TRUSHIN Igor 東北大学, 国際教育院, 准教授 (80600337)
|
研究分担者 |
久保 英夫 北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (50283346)
望月 清 首都大学東京, 理工学研究科, 名誉教授 (80026773)
|
キーワード | 関数方程式 / 散乱理論 |
研究概要 |
ナノテクノロジを理論的に理解するにあたり、メゾスコピック領域においてグラフ上微分方程式は大切なモデルになる。本研究は、ループを含む量子グラフと星型のグラフに対するポテンシャル散乱の逆問題を追及するグラフ上微分方程式の研究である散乱関数(散乱行列)を、Heisenbergの定義に従って定常的に定義する。物理的により正当化できる散乱行列の時間に依存する定義はMollerによって与えられており、半直線上のSchrodinger作用素の場合には両者が一致することがFaddeyev-Secklerによって示されている。逆散乱理論の目的はポテンシャルの一意性、再構成の方法、再構成の安定性、さらに散乱特性評価である。そこで、本研究では、ポテンシャル再構成をするため、Marchenkoの基本方程式を導き出すものとする。Marchenkoの基本方程式は一意に解けるので、ポテンシャルの一意性と安定性の証明ができ、散乱データの特性評価が可能となる。 2012年度は以下研究を行った: 1.ループを含む量子グラフと星型のグラフに対するポテンシャル散乱行列を元にしたポテンシャルの一意性と再構成の方法。 2.グラフ上Schrodinger作用素については逆散乱理論をもとにした非線型方程式。 3.ループを含む一般のグラフと星型のグラフ上Schrodinger作用素の散乱行列の特性評価。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1.2012年度の計画のとおり、本研究ではループを含む量子グラフと星型のグラフに対するポテンシャル散乱行列を元にしたポテンシャルの一意性の証明と再構成をすることができ、2013年度も引き続き予定通り研究を続ける。 2.グラフ上Schrodinger作用素については逆散乱理論をもとにした非線型方程式を研究した。 3.ループを含む一般のグラフと星型のグラフ上Schrodinger作用素の散乱行列の特性評価を導き出した。
|
今後の研究の推進方策 |
今年度はグラフ上Schrodinger作用素について逆散乱理論をさらに研究する。また、研究成果を論文掲載や学会発表により発表する。
|
次年度の研究費の使用計画 |
次年度使用額は、今年度の研究を効率的に推進したことに伴い派生した未使用額と平成25年度請求額をあわせ、次年度に計画している研究の遂行に使用する予定である。
|