研究概要 |
ナノテクノロジを理論的に理解するにあたり、メゾスコピック領域においてグラフ上微分方程式は大切なモデルになる。本研究はループを含む量子グラフと星型のグラフに対するポテンシャル散乱の逆問題を追究する、グラフ上微分方程式の研究である。散乱関数(散乱行列)は Heisenberg の定義に従い, 定常的に定義されている。 物理的により正当化できる散乱行列の時間に依存する定義は Moller によって与えられており, 半直線上の Schrodinger 作用素の場合には両者が一致することが Faddeyev-Seckler によって示されている。逆散乱理論の目的はポテンシャルの一意性、再構成の方法、再構成の安定性、さらに散乱特性評価である。そこで、本研究では、ポテンシャル再構成をするため、Marchenko の基本方程式を導き出すものとする。Marchenko の基本方程式は一意に解けるので、ポテンシャルの一意性と安定性の証明ができ、散乱データの特性評価可能となり。 2013年度は以下研究を行った: 1.星型のグラフに対するポテンシャル散乱行列を元にしたポテンシャルの一意性と再構成の方法。 2.星型のグラフ上Schrodinger 作用素については逆散乱理論をもとにした非線形方程式。 3.星型のグラフとループを含む一般のグラフ上Schrodinger 作用素のResolventと散乱行列の特性評価。
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