研究課題/領域番号 |
23540183
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研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
松本 裕行 青山学院大学, 理工学部, 教授 (00190538)
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研究分担者 |
谷口 説男 九州大学, 数理学研究院, 教授 (70155208)
神保 雅一 名古屋大学, 情報科学研究科, 教授 (50103049)
脇 克志 山形大学, 理学部, 教授 (30250591)
平尾 将剛 東京女子大学, 現代教養学部, 講師 (90624073)
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キーワード | ベッセル過程 / ブラウン運動 / 到達時刻 / 変形ベッセル関数 / 零点 / 管状近傍 |
研究概要 |
ベッセル過程の到達時刻の確率分布の具体形と尾確率の漸近挙動に関して,3年間濱名裕治氏と研究を続け,一応最終的な結論を得た.とくに,最終年度は,尾確率の漸近挙動に関しては,指数による結果の不統一があったが,具体形を用いない他の方法を見つけて解決し結果も,口頭発表および論文で発表した. 研究期間全体において,ベッセル過程の到達確率から変形ベッセル関数の零点までの研究に費やした時間が多く,微分作用素の解析に関しては大きな成果は得られなかった. しかしながら,到達時刻の確率分布のラプラス変換から,変形ベッセル関数の零点を用いて,確率分布の具体形と尾確率,推移確率密度の漸近挙動を示したことは重要であると考えている. 逆に,この結果から変形ベッセル関数の零点のみたす代数方程式を発見し,数値計算により求めたことは,数学全体において古典的で基本的な特殊関数に対する新しい結果だと思われる. また,ブラウン運動の管状近傍の体積の期待値という古典的な問題に関しても,到達時刻の確率分布を用いて,次元の偶奇によって異なる漸近挙動が見られるという新しい結果を得た.残念ながら,結果の説明ができていない.論文による結果の発表と合わせて,今後の課題であると認識している.
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