双曲型作用素に対するコーシー問題がC∞適切になるための必要十分条件を得ることを最終的な目的とし、26年度は、前年度に引き続き、係数が時間変数のみに依存する3階の双曲型微分作用素及び2重特性的である高階双曲型微分作用素に対するコーシー問題を研究し、subprincipal symbol 及び「sub-sub-principal symbol」にリーズナブルな条件を課して、コーシー問題がC∞適切になるという前年度に得られていた結果を、細部にわたるまで厳密に証明し、論文としてまとめた。この論文は Tsukuba J. Math. に投稿され、既に受理(accept)されている。さらに、主要部の係数が時間変数にのみ依存する2重特性的である高階双曲型微分作用素に対しては、係数が時間変数について解析的で、空間次元が 2 以下であるかまたは、係数が時間変数について半代数的である場合には、論文で与えられた十分条件が必要条件にもなっていることを示した。
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