研究課題
本研究は,①Morrey型ノルムによる分数積分作用素等の加重付きノルム不等式の改良,②多重劣線形最大作用素の視点に立つ局所的加重付きノルム不等式の開発,③同視点に立つKakeya最大作用素の加重付きノルム不等式の改善,の三つをその目的とします.平成23年度は,多重線形分数積分作用素に対するOlsenの不等式の証明に成功し,分数積分作用素を一般化した正作用素に対し背景の空間を一般の測度空間として加重付ノルム不等式の研究を進めました.平成24年度は,2進立方体が持っている構造を含むより一般なmartingaleの枠組みにおいて正作用素を定式化し,その加重着きノルム不等式の研究を進めました.さらに,正作用素が有界となるためのその核が満たすべき必要十分条件を与えることに成功しました.また,研究目的の③に関連して,2次元座標平面上で方向極大関数に対する動径的加重付ノルム不等式が成立するための一つの十分条件を与えることに成功しました.平成25年度の研究実績は,次となります.Morrey空間では最大関数を有界とする加重の特徴づけが困難です.Lebesgue空間では,それはMuckenhouptのクラスとして完全に整備されています.研究目的①を完遂するため,私はMorrey空間において,Muckenhouptのクラスに類似する特徴付けの研究を進めました.その完全な特徴付けを与えることは未だできていません.しかしながら,最大関数に対する加重付きMorreyノルム不等式が成立するための必要条件,十分条件をそれぞれ与え,それらに依拠して特にべき型の加重については必要十分条件を与えて完全な特徴付けに成功しました.これは着実な進歩であると信じています.また研究目的の③に関連してKakeyaの最大関数が変動指数Lebesgue空間で有界となる指数が満たすべき十分条件を調べ研究しました.
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