研究課題/領域番号 |
23540191
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
一瀬 孝 金沢大学, その他部局等, 名誉教授 (20024044)
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キーワード | 関数方程式 / 量子力学 / 経路積分 / プロパゲイター / グリーン関数 / 相対論的シュレーディンガー作用素 / レヴィ過程 / ファインマン・カッツ公式 |
研究概要 |
本研究課題の第2年度である。交付申請書記載の「ゲージ変換共変な相対論的シュレーディンガー半群の経路積分表示に関する研究」について次の2つの成果を得た。 1. 一瀬は,廣島文生(九大数理),József Lőrinczi (Loughborough大, 英)との共同研究によって,ラプラス作用素のベルンシュタイン関数を経て与えられるレヴィ過程の生成作用素達の半群に対する虚数時間(レヴィ過程測度による)経路積分表示問題の研究を完成した。レヴィ過程をブラウン運動からのBochnerの従属操作即ち時間変更法で行った。2編の論文として, Rev. Math. Phys. 誌(2012),及び Publ. RIMS Kyoto University誌(2012),に出版。 2.一瀬は,磁場付き相対論的古典的ハミルトニアン表象に対する3つの相対論的量子化シュレーディンガー作用素に対する虚数時間経路積分表示の問題を考察し違いを明らかにした。1つ目は一瀬・田村[Commun.Math.Phys.1986]によるワイル量子化シュレーディンガー作用素であり,2つ目はIftimie-Mantoiu-Purice [Publ. RIMS Kyoto Univ. 2007] にて考案されたもの,3つ目は非相対論的シュレーディンガー作用素の1/2乗を経て定義された上記1.でも考察されたもの。論文は Lett. Math. Phys. 誌(2012)に出版された。更に,本成果のテーマ及びその周辺を詳述する入門的レヴュー論文を書き近くSpringer社からの出版書中に掲載される予定。 3. 一瀬はまた,斉藤義実(Alabama大,米)との共同研究によって,スカラー値関数の場合の所謂「改良Sobolev不等式」をベクトル値関数の場合に拡張した。論文を投稿中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
然るべき成果も得たと思う。
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今後の研究の推進方策 |
研究費の大部分は,研究課題に係わる研究テーマについて,主に代表者と共同研究者間の研究連絡,研究打ち合わせ旅費,また,代表者の国の内外の関連分野の研究集会,国際会議等に出かけ,研究成果発表,資料・情報収集するための旅費として使用。 研究テーマは次である:1. 相対論的シュレーディンガー半群の経路積分,2. 作用素ノルム指数積公式の収束誤差評価の改良,3. スペクトル・ゼータ関数,4. 相対論的シュレーディンガー作用素に対する加藤の不等式の研究(再訪), 5. 繰り込み群的方法によるシュレーディンガー作用素のスペクトルギャップを求める研究
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次年度の研究費の使用計画 |
国の内外での研究集会に出かけるための旅費。 特に,5月仏マルセイユ,リュミニの CIRM (Centre International de Rencontres Mathematiques) に出かけ,指数積公式に関する共同研究を行う。
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