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2011 年度 実施状況報告書

準線型常微分方程式の漸近解析とそれに基づく楕円型偏微分方程式の漸近解析

研究課題

研究課題/領域番号 23540196
研究機関岐阜大学

研究代表者

宇佐美 広介  岐阜大学, 工学部, 教授 (90192509)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2015-03-31
キーワード楕円型方程式 / 常微分方程式 / 漸近解析 / 競争系
研究概要

1. 球対称な係数関数を持つ高階半線型楕円型方程式の球対称な正値解の存在性と非存在性を考察した.特に係数関数がほぼ原点からの距離の累乗になるような場合を考えた.この結果と比較定理を用いて非対称な係数を持つ方程式の研究が進められると思われる.その結果は既存の結果の本質的改良を与えている. 2.1次元退化プラス方程式の境界値問題の解の振幅に関する逆問題を考察した.ここで得た知見ー特に関数空間と分数回微分に関するものーを元にして高次元の同種の楕円型逆問題解析の足がかりができたといえる. 3.非自励2種ロトカ=ヴォルテラ競争系の解の大域的漸近安定性を考察した.通常は自励系で無ければこういう問題は難しい.しかし,かなり一般的な状況でも「漸近的な等傾斜線」のような曲線を考えることにより,使いやすい大域的漸近安定のための十分条件を導出することができた.もちろん,古典的な結果の実質的な改良を与えている.手法は既存のものとは全く異なり比較定理の無限回の適用である. 4.準線型常微分方程式のいわゆる中間オーダーの解(緩減衰解とも言う)の存在,非存在性,及び漸近形を考察した.またそれに関連して,全く一般の非線型項を持つ常微分方程式の強減衰解の存在定理を確立した.通常このようなも問題では非線型項を単調な関数で押さえ込んで評価していくのだが,それでは余りにも粗っぽい評価になる場合がある.本研究では非線型項の原始関数を用いてそのような無駄を回避する計算法を提案した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

1.高階楕円型偏微分方程式の球対称解の解析は予定どおりに進んでいる. 2.準線型楕円型偏微分方程式の解析も予定どおりに進んでいる.

今後の研究の推進方策

1.必ずしも球対称性を有さない高階楕円型偏微分方程式の正値解の存在・非存在性,及び解の漸近的性質を解明する. 2.多次元退化プラス方程式の境界値問題の解の振幅に関する逆問題を考察する.そのためには特に関数空間と分数回微分に関する研究も必要である. 3.拡散項を含んだ非自励2種ロトカ=ヴォルテラ競争系の解の大域的漸近安定性を考察する. 4.準線型退化ラプラス方程式のいわゆる中間オーダーの解(緩減衰解とも言う)の存在,非存在性,及び漸近形を考察する.またそれに関連して,全く一般の非線型項を持つ退化ラプラス方程式の強減衰解の解析も行う.

次年度の研究費の使用計画

・物品費は図書の購入に充てる.・夏季に研究集会の開催を予定しており,旅費・謝金をその開催費に充てる.・スロバキア共和国での国際会議への参加,および同国のコメニウス大学・ヤロシュ教授との共同研究のたの海外渡航を行う.海外旅費をその費用に充てる.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Rectifiable oscillations of radially symmetric solutions of p-Laplace differential equations2011

    • 著者名/発表者名
      Yuki Naito, mervan pasic, and Hiroyuki Usami
    • 雑誌名

      Differential Equations and Applications

      巻: 印刷中 ページ: 印刷中

    • 査読あり
  • [学会発表] Global asymptotic stability in a two-species nonautonomous competition system

    • 著者名/発表者名
      宇佐美広介
    • 学会等名
      京都大学数理解析研究所(招待講演)
    • 発表場所
      京都大学
    • 年月日
      2011年11月10日

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公開日: 2013-07-10  

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