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2012 年度 実施状況報告書

群のユニタリ表現の分解と分岐グラフ上の調和関数の研究

研究課題

研究課題/領域番号 23540197
研究機関北海道大学

研究代表者

洞 彰人  北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (10212200)

研究分担者 伊師 英之  名古屋大学, 多元数理科学研究科, 准教授 (00326068)
キーワード関数解析 / 調和解析 / 確率論 / 表現論
研究概要

巨大な群のユニタリ表現の標準的な因子分解(中心分解)および既約分解を具体的に記述して調べるのが、本研究の主目的である。すなわち、分解の基本素子となるユニタリ表現あるいは指標全体を良いパラメータづけによって完全に分類し、表現の分解の法則を定める確率測度を具体的に求めることが研究の骨子となる。このようなユニタリ表現の分解は、群の表現論の基本的な問題であるが、われわれが扱う巨大な群(特に非I型)においては、これらの分類パラメータの空間は一般に無限次元の対象であり、しばしば複雑な構造を有する。その解明のために、確率論の方法を駆使することが、本研究の全体の枠組にかかわる一貫した観点である。2年目の平成24年度においても、無限対称群や無限複素鏡映群を含むクラスをなすコンパクト群の無限環積を主たる対象とした。帰納系の特性を利用して分岐グラフを構成し、その上の無限経路全体のなす空間上で、測度に基づく調和解析の展開を目指した。無限環積群の指標、分岐グラフの極小マルチン境界、経路空間上のエルゴード的測度は互いに不可分な対象であるが、これらの包括的な理解がかなり進んできた。このような分類パラメータの空間は、調和解析の基盤となるものなので、さまざまな観点から光を当てた研究が望ましい。本研究でも、表現論的、確率論的、ポテンシャル論的なアプローチに基づく複数の異なった証明方法が得られている。研究成果は、研究代表者と平井武氏による共著の論文としてまとめ、学術雑誌に投稿中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

1年目の平成23年度に得られた成果に基づき、着実に研究を進めた。研究の路線と方法は、おおむね当初の予定どおりである。研究成果に関する論文を学術雑誌に投稿し、あわせて国際研究集会での研究発表も行った。

今後の研究の推進方策

巨大な群のユニタリ表現の標準的な素子への分解をできる限り具体的に記述する手段を開発するという基本的な問題に、引き続き取り組む。研究計画の枠組の変更は必要ないが、平成25年度への研究費の繰り越しが発生した。その点は十分踏まえて円滑な遂行に努める。

次年度の研究費の使用計画

研究会や小規模なセミナーを中心とした研究情報の交換の場を機動的に設けるとともに、研究集会等において研究成果の発信を行うため、研究旅費を使用する。研究を進める上で必要に応じて研究費を執行したため、当初の見込額と執行額は異なったが、研究計画に変更はなく、24年度の研究費も含め、当初予定通りの計画を進めていく。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件)

  • [雑誌論文] ヤング図形のエルゴード的な統計集団における集中現象2013

    • 著者名/発表者名
      洞 彰人
    • 雑誌名

      数理解析研究所講究録

      巻: 1825 ページ: 75 -- 90

  • [学会発表] ヤング図形のエルゴード的な統計集団における集中現象

    • 著者名/発表者名
      洞 彰人
    • 学会等名
      表現論と非可換調和解析の展望
    • 発表場所
      京都大学(京都市)
    • 招待講演
  • [学会発表] Growth process of multi-diagrams, its Martin boundary, and characters of an inductive limit group

    • 著者名/発表者名
      洞 彰人
    • 学会等名
      RIMS International Project Research 20120: Discrete Geometric Analysis, Markov Chains on Graphs and Related Topics
    • 発表場所
      京都大学(京都市)
    • 招待講演

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公開日: 2014-07-24  

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