研究分担者 |
増本 誠 山口大学, 理工学研究科, 教授 (50173761)
柳原 宏 山口大学, 理工学研究科, 准教授 (30200538)
木内 功 山口大学, 理工学研究科, 教授 (30271076)
米田 二良 神奈川工科大学, 基礎・教養教育センター, 教授 (90162065)
大渕 朗 徳島大学, ソシオアーツ・アンド・サイエンス研究部, 教授 (10211111)
|
研究概要 |
閉リーマン面 C が種数 1 の面の 2 葉被覆になるときそれを bielliptic いう.その被覆射影の分岐点は Weierstrass 非空隙列が 4, 6, ... で始まる Weierstrass 点になる.逆にそのような空隙列をもつ Weierstrass 点は bielliptic の被覆射影の分岐点であるかという問題がある.C の種数を g とするとき g が 8 以上ならば逆も成り立つことが知られている.g が 7 以下の場合は未知であったのでその解明を計画した.計画の段階では g=5, 6, 7 でも逆が成立するものと予想していたが,その予想は誤りで,これらの種数の場合には,非空隙列が 4, 6, ... であっても bielliptic の被覆射影の分岐点にならない点が存在する.しかし,同時にそれらの Weierstrass 点の個数には強い制限があることをが分かった.具体的には g=6, 7 ならばそのような点は高々 1 点である.すなわち,非空隙列が 4, 6, ... である Weierstrass 点が 2 点あれば bielliptic になり,その場合は必然的に 2g-2 点存在する.g=5 の場合は問題は複雑化する.現在までに証明できたことは次の通りである.bielliptic の被覆射影の分岐点にならない点を 3 点もつ C が存在することが示せる.一方,Weierstrass 空隙列が {1,2,3,5,9} となる Weierstrass 点が 24 点存在すれば C はちょうど 3 つの bielliptic involution をもち,24 点のうちの各々 8 点が各 involution の不動点になることを証明した.
|