研究課題/領域番号 |
23540224
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
青柳 美輝 日本大学, 理工学部, 准教授 (90338434)
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キーワード | 学習理論 / 特異点解消 / 学習係数 |
研究概要 |
Log canonical threshold の値を得るのに有用な2つの定理を得た。一つ目の定理「Method for finding a deepest singular point」は、Log canonical threshold を得る最良の特異点を求めるものである。この定理は、ブローアッププロセス数の減少に貢献した。2つ目の定理「Method to add variables」は、変数の追加により、ブローアッププロセス内で行われる変数変換を簡略化するのに有効であった。これら2つの定理は、斉次方程式からなるイデアルの特異点集合に効果がある。論文では、斉次イデアルから生成されるVandermonde matrix型特異点に適用した。学習理論において、Vandermonde matrix型特異点は、実世界データに比較的頻繁に応用される,混合正規分布,三層ニューラルネットワーク, 混合二項分布の学習係数を与える特異点集合である。これらの結果は、Consideration on Singularities in Learning Theory and the Learning Coefficient, Entropyにおいて発表した。Restricted Boltzmann Machineの学習係数の結果は、Learning coefficient in Bayesian estimation of restricted Boltzmann machine, Journal of Algebraic Statisticsに掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
Vandermonde matrix型特異点のlog canonical thresholdの真値を得たかったが、去年と同じくまだバウンドにとどまっている。代数幾何・代数解析では主に代数閉体上でのlog canonical thresholdの研究が行われている。また、低次元での研究が主である。 一方、学習理論における学習係数は、ある情報量の実数体上のlog canonical thresholdとその位数で与えられる。従ってそのまま複素体上の定理を学習係数に適用することができないことも遅れている理由の一つである。例えば、複素数体上のlog canonical thresholdは1より小さいが、実数体上ではそうとは限らない。学習理論における情報量のlog canonical thresholdは、ほとんどが1より大きい。ある関数族に関しては、実数体上のlog canonical thresholdの方が多くの情報を持っていることが知られている。これらのことを考慮し新たな方法を模索したい。
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今後の研究の推進方策 |
Vandermonde matrix 型特異点、対称式型特異点に対するlog canonical threshold の真値を得たい。今年は、方針を変え、数値を固定した場合について考察を行う予定である。特異点を決定しているイデアルについて、さらに、高次の項の影響を精密に調べ、新たな方法を模索したい。さらに、昨年度と同じく、近年重要性を指摘されるようになったlog canonical thresholdから得られるsingular fluctuationの研究を行い、一般的な学習モデルについて体系的に考察したい。また、M. Mustataにより証明されたJet Scheme とlog canonical threshold との関係が、実数体(標数0)でどのように適用できるかについて考察し、新たな手段を開拓したい。同様にMustataにより、log canonical thresholdの下限がmultiplicityを用いて得られているが、あまりtightではないようである。このような不等式をさらに精密に表現できるような一般的な関係を求めたい。これらの結果を実際にデータ解析に応用したい。この方策をさらに色々なモデルに適用し、最適なモデル選択法への応用、効率のよい機械学習の構成法について考察したい。
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次年度の研究費の使用計画 |
スペインでの国際学会に参加予定であったが、政情不安のため参加できなかった。 関連する国内、国際会議講演、聴講のための旅費として使用する予定である。
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