研究課題/領域番号 |
23540226
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
山田 修宣 立命館大学, 理工学部, 教授 (70066744)
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研究分担者 |
藤家 雪朗 立命館大学, 理工学部, 教授 (00238536)
渡部 拓也 立命館大学, 理工学部, 助教 (80458009)
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キーワード | ディラック作用素 / スペクトル / レゾナンス / 多体問題 / 自己共役作用素 |
研究概要 |
今年度は、Dirac 作用素の多体問題のスペクトルの研究を中心に行った。この問題は、ポーランドの研究者 Jan Derezinski 氏が、国際数理物理学会の2012年1月号"News"(インターネット版)に提案した新しい問題であり、今後重要な課題となると考えられる。この問題に関して、ミュンヘン大学の Hubert Kalf氏および京都大学の大鍛治隆司氏との共同研究が現在も続いている。2012年夏(7月23日-8月17日)にイギリス・ケンブリッジで開かれた共同研究集会 "Spectral Theory of Relativistic Operators"に筆者は参加し、Derezinski氏と会い、Kalf氏と再会、討論することができた。この議論を受けて、連携研究者の大鍛治氏との3人の共同研究が進んでいる訳である。これらの中間的結果については、9月の「2012年夏の作用素論シンポジウム」(代表:岩塚明・京都工芸繊維大学教授)、11月の「第19回超局所解析と古典解析」(代表:大鍛治隆司・京都大学准教授)などで私が講演し、12月の京都大学数理解析研究所の研究集会「スペクトル・散乱理論とその周辺」(代表:野村祐司・愛媛大学准教授)では、大鍛治氏がほぼ最終的な結果の講演を行った。この結果は京都大学数理解析研究所の講究録に収録されるはずである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Dirac作用素のスペクトル理論の研究を引き続いて行っている。 今年度は、Derezinski のノート"Open problems about many-body Dirac operators"が緊急課題となったため、Kalf氏と大鍛治氏との共同研究を行った。これは「研究の目的」と逸脱しているとは思っていない。Kerr-Newmann 計量におけるDirac作用素の極限吸収原理の論文化については、次年度の課題にしたい。
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今後の研究の推進方策 |
大鍛治、Kalf両氏との共同研究については、テンソル積空間上の研究、ユークリッド空間上の研究に分けて、分担執筆を考えたい。 Kerr-Newmann 計量におけるDirac作用素の極限吸収原理の論文については、共同研究者の M. Winklmeier 氏(Los Andes 大学)と研究連絡を取って、早急に行いたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
国内外の関連する研究集会に出来るだけ多く参加して、研究交流を行いたい。現在予定されているものとして、「2013年夏の作用素論シンポジウム」(代表:岩塚明・京都工芸繊維大学教授)、「第20回超局所解析と古典解析」(代表:大鍛治隆司・京都大学准教授)、数理解析研究所の研究集会「スペクトル・散乱理論とその周辺」(代表:峯拓矢・京都工芸繊維大学准教授)などがある。
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