研究課題/領域番号 |
23540228
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
薮田 公三 関西学院大学, 数理科学研究センター, 客員研究員 (30004435)
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研究分担者 |
北原 和明 関西学院大学, 理工学部, 教授 (40195277)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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キーワード | フーリエ解析 / 実解析 / 関数解析学 / 解析学 / 近似論 |
研究概要 |
曲面{(x,y)∈R~d×R~n;x=Φ(y)}に関連した特異積分作用素Tf(x)=p.v.∫_{R~n}h(|y|)Ω(y)|y|~{-n}f(x-Φ(y))dyについて,Ω,h,Φに種々の条件を与えてTの性質を調べた.研究初年度,次年度は次の2つの場合を研究する.(i) Φ(y)=φ(|y|)y'),φ(t)が適当な条件を満たす.(ii) Φ(y)=(φ(|y|)y', ψ(|y|))でφ,ψが適当な条件を満たす.1. 研究課題に直接関係した成果として,研究発表欄に記した次の論文を発表できた(印刷中). Rough singular integrals associated to submanifolds. 内容としては,L(logL)~α型あるいはブロック空間型の核函数に対し,研究実施計画での(ii)のタイプの曲面に関連した特異積分のLp有界性について,新しい知見を得た.これによって,回転型の曲面に関連した特異積分に対して,過去取扱不能であった場合にも適用できる結果を得た.2. ベクトル値特異積分であるMarcinkiewicz積分についても上記と似た新知見を得,研究発表欄に記したように次の論文として印刷中である. Some remarks on Marcinkiewicz integrals along submanifolds3. 曲面に直接関連したものではないが,Marcinkiewicz積分のL2有界性を論じる結果を得,研究発表欄に記したように次の論文として掲載されている. A remark to the $L~2$ boundedness of parametric Marcinkiewicz integral内容は,作用素の連続性を論じる場合に一番基本的なL2有界性をMarcinkiewicz積分について,既知の結果を改良し,検証し易い条件を見つけた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実施計画では,研究目的の(i)の場合について十分な調査研究を行う予定であったが,むしろ研究目的の(ii)の場合の研究で結果を出せるものがあり,その整理・改良に手をとられ,研究全体としては望ましい進展をしているが,初期の計画に十分な勢力を尽くせなかったという反省点があり,「おおむね順調に進展している」と自己評価した.
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今後の研究の推進方策 |
初年度研究目的(i)の調査研究が十分行えなかったので,連携研究者の佐藤秀一氏による結果の再検討など,この分野の文献を精査し,研究目的(i),(ii)併せての研究進展を図る.このため,この分野の文献調査を行いつつ種々の試行考察を関数近似論への応用(研究分担者北原和明氏担当)を含めて行う.その際,国内の調和解析分野の研究者とのアイデアの交換・討論により研究進展を図る.また,北京師範大のXue准教授・Ding教授とのアイデアの交換・討論も引き続き行う.
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次年度の研究費の使用計画 |
未使用額の37,463円の発生は,当初年度内に納入される予定であった消耗図書の納品が遅れたためで,この未使用額は本年度消耗図書費として使用する.本来の今年度分の研究費については,初年度と同じく,大部分は国内外の研究集会への参加費用として使用し,一部を参考資料,参考図書,文具類に使用する計画である.
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