研究課題/領域番号 |
23540228
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
薮田 公三 関西学院大学, 数理科学研究センター, 客員研究員 (30004435)
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研究分担者 |
北原 和明 関西学院大学, 理工学部, 教授 (40195277)
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キーワード | 調和解析 |
研究概要 |
曲面{(x,y)∈R~d×R~n;x=Φ(y)}に関連した特異積分作用素Tf(x)=p.v.∫_{R~n}h(|y|)Ω(y)|y|~{-n}f(x-Φ(y))dy, x∈R~d について,Tの性質を調べた.2年目は,初年度の実績報告で印刷中であった2論文が正式に発刊されたことと,新しい結果を1つ発刊予定と出来たことである. 1. 研究課題に直接関係した成果として,研究発表欄に記したように次の論文として発刊された.Rough singular integrals associated to submanifolds,内容としては,回転型の曲面に関連した特異積分に対して,過去取扱不能であった場合にも適用できる結果を得た. 2. ベクトル値特異積分であるMarcinkiewicz積分についても上記と似た新知見を得た.研究発表欄に記したように次の論文として発刊された.Some remarks on Marcinkiewicz integrals along submanifolds 3. 曲面に直接関連したものではないが,多重線形特異積分である多重線形フーリエマルティプライア-の重み付き有界性を論じる結果を得た.研究発表欄に記したように次の論文として学術雑誌Forum Mathematicumに印刷承認を得ている. Weighted version of Carleson measure and multilinear Fourier multiplier. これは,最近のGrafakos, Miyachi, Tomitaの研究「On Multilinear Fourier Multipliers of Limited Smoothness. Canad. J. Math. 65 (2013), 299-330」を重み付きの場合に深めたものである.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実施計画では,曲面{(x,y)∈R~d×R~n;x=Φ(y)}に関連した特異積分作用素Tf(x)=p.v.∫_{R~n}h(|y|)Ω(y)|y|~{-n}f(x-Φ(y))dy, x∈R~d について,核函数Ω(y),揺らぎ函数h(t),R~nからR~dへの写像Φに種々の条件を与えてTの性質を調べた.研究初年度,次年度は次の2つの場合を研究することが目的であった.(i) d=n, Φ(y)=φ(|y|)y'),φ(t)が適当な条件を満たす.(ii) d=n+1, Φ(y)=(φ(|y|)y', ψ(|y|))でφ(t), ψ(t)が適当な条件を満たす. 研究目的の(i)の場合について十分な調査研究を行う予定であったが, 上記の3番目の論文の研究に興味を惹かれ,そちらに時間と精力を注ぎ,結果として初期の計画遂行に十分な力を尽くせなかったという反省点があり,研究全体としては望ましい進展をしているが,「おおむね順調に進展している」と自己評価した.
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今後の研究の推進方策 |
2年目の研究目的(i)の調査研究が十分行えなかったので,連携研究者の佐藤秀一氏による結果の再検討など,この分野の文献を精査し,研究目的(i),(ii)併せての研究進展を図る.このため,この分野の文献調査を行いつつ種々の試行考察を関数近似論への応用(研究分担者北原和明氏担当)を含めて行う.その際,国内の調和解析分野の研究者とのアイデアの交換・討論により研究進展を図る.また,北京師範大のXue准教授・Ding教授とのアイデアの交換・討論も引き続き行う.
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次年度の研究費の使用計画 |
初年度,2年度と同じく,大部分は国内外の研究集会への参加費用として使用し,一部を参考資料,参考図書,文具類に使用する計画である.
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