研究実績の概要 |
1.昨年の研究実施状況報告書での今後の研究推進方策で述べたように,{(i) d=n, Φ(y)=φ(|y|)y'),φ(t)が適当な条件を満たす. (ii) d=n+1, Φ(y)=(φ(|y|)y', ψ(|y|))でφ(t), ψ(t)が適当な条件を満たす} といった場合に,曲面{(x,y)∈R~d×R~n;x=Φ(y)}に関連した特異積分作用素Tf(x)=p.v.∫_{R~n}h(|y|)Ω(y)|y|~{-n}f(x-Φ(y))dy, x∈R~d について,核函数Ω(y),揺らぎ函数 h(t),R~nからR~dへの写像Φに種々の条件を与えてTの性質を調べた.Lp有界性のみならずTriebel-Lizorkin空間での有界性について,さらに詳しく調べると述べた.まず,(ii)に関連した成果が Boundedness of singular integrals associated to surfaces of revolution on Triebel-Lizorkin spaces, Forum Math. Online:08/14/2014, 21ページとしてOnline発刊された.また(i)に関連してTriebel-Lizorkin space boundedness of rough singular integrals associated to surfaces. J. Inequal. Appl. 2015, 2015:107, 26ページも発刊することができた. 2.(i)に関連したベクトル値特異積分についての成果として,Fractional type Marcinkiewicz integral operators associated to surfaces. J. Inequal. Appl. 2014, 2014:232, 29 ページ として掲載された. 3.曲面に直接関連したものではないが,ベクトル値多重線形特異積分である多重線形 Littlewood-Paley函数のLp有界性を論じる結果を得た.研究発表欄に記したように次の表題の論文として学術雑誌に掲載された.On multilinear Littlewood-Paley operators, Nonlinear Anal.115 (2015), 25-40. doi:10.1016/j.na.2014.12.001. 4.同じく,特異積分に直接関係するものではないが,特異積分の研究によく出てくる函数空間Morrey空間についての新しい知見を得た.Remarks on a subspace of Morrey spaces. Tokyo J. Math. 37 (2014), no. 1, 185-197. doi:10.3836/tjm/1406552438.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度の「今後の研究推進方策」では,{(i) d=n, Φ(y)=φ(|y|)y'),φ(t)が適当な条件を満たす. (ii) d=n+1, Φ(y)=(φ(|y|)y', ψ(|y|))でφ(t), ψ(t)が適当な条件を満たす}場合に,曲面{(x,y)∈R~d×R~n;x=Φ(y)}に関連した特異積分作用素Tf(x)=p.v.∫_{R~n}h(|y|)Ω(y)|y|~{-n}f(x-Φ(y))dy, x∈R~d について,核函数Ω(y),揺らぎ函数h(t)に適当な条件の下に研究進展を図るということであった.昨年前半,病気療養のため少し遅れたこともあったが,望ましい方向に進展しており,成果も出せているということで,表記のように自己評価した.
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