研究実績の概要 |
本研究は,{(i) d=n, Φ(y)=φ(|y|)y'),φ(t)が適当な条件を満たす. (ii) d=n+1, Φ(y)=(φ(|y|)y', ψ(|y|))でφ(t), ψ(t)が適当な条件を満たす.(iii) d>nでΦ(y)=(φ(|y|)y', ψ(y))でψ(y)=(P_1(y),P_2(y),...,P_d(y));P_j(y)多項式} といった場合に,曲面{(x,y)∈R~d×R~n;x=Φ(y)}に関連した特異積分作用素Tf(x)=p.v.∫_{R~n}h(|y|)Ω(y)|y|~{-n}f(x-Φ(y))dy, x∈R~d について,核函数Ω(y),揺らぎ函数 h(t),R~nからR~dへの写像Φに種々の条件を与えてTのLp有界性などの性質を調べることが目的である.本年度は,以下の結果を得た. 1.(i)に関連して,Lp有界性のみならずTriebel-Lizorkin空間での有界性について,昨年度の「Triebel-Lizorkin space boundedness of rough singular integrals associated to surfaces」の改良版として「Remark on the Triebel-Lizorkin space boundedness of singular integrals associated to surfaces, Scientiae Mathematicae Japonicae vol.28 2015-18, 10ページ」を出版した. 2.(i)に関連したベクトル値特異積分についての成果として,昨年度の結果「Fractional type Marcinkiewicz integral operators associated to surfaces. J. Inequal. Appl. 2014, 2014:232, 29 ページ」に続いて,その重み付きLp評価の結果を得た. Y.Sawano and K. Yabuta, 「Weighted estimates for fractional type Marcinkiewicz integral operators associated to surfaces」という表題で ALM (Advanced Lectures in Mathematics)の第34巻(2015)に,書名「Some Topics in Harmonic Analysis and Applications」の中の一遍として掲載された. 3.連携研究者の佐藤秀一氏が,曲面に直接関連したものではないが,ベクトル値特異積分であるLittlewood-Paley函数についての新知見を得た.このように,解析学の基礎分野である実解析について,特異積分に関する新知見を得,貢献することができた.
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