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2013 年度 実施状況報告書

作用素環の自己同型及び群作用の分類の研究

研究課題

研究課題/領域番号 23540246
研究機関九州大学

研究代表者

増田 俊彦  九州大学, 数理(科)学研究科(研究院), 准教授 (60314978)

キーワード作用素環 / 群作用 / 分類
研究概要

本年度は因子環への群作用の研究を主に行った。まず単射的因子環への離散従順カッツ環の作用の研究を行った。これは北海道大学の戸松怜治氏との共同研究で以前から進めていたものであるが、最近の安藤-ハーゲラップの超積フォンノイマン環の理論の成果も一部取り入れて、証明をより整備した。これによってかなりのクラスの離散従順カッツ環の作用の分類が得られた。その結果として連結単純リー群の単射的III型因子環への極小作用の分類が得られた。次に部分因子環のオービフォールド構成についての考察を行った。この構成でもっとも重要な点は接合積をとった際に主グラフの変化が起こるためのある種の障害類が消えるかどうかの判定である。一般的にはパラグループ理論のもっとも難しい議論を使わないとわからないのだが、主グラフにいい条件があるときは比較的容易に障害類が消えることが証明できた。その応用として主グラフがディンキングラフD_{2n}である部分因子環の存在が容易に証明される。片山-竹崎による外部的作用(G核)の分類の研究も行った。彼らの議論ではある種の群の分解が必要となるが、これを用いず直接分類する研究を行った。そのために彼らと違う不変量の定式化を行い(実際は同値なものであるが)、以前の私の群作用の統一的な分類の議論を適用した。またモデル作用の構成も群の分解を使わずに行った。これには一部林-山上による従順テンソル圏の両側加群での実現の結果を用いている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

群作用の分類は大体順調に進んでおり、成果もあがっているため。

今後の研究の推進方策

実数群の作用のロホリン性についての研究をさらに進める。具体的な例においてはロホリン性は直接チェックできる場合が多いが、より一般的な特徴付けを調べることは重要である。
離散カッツ環の作用について、有限次元の場合は我々のこれまで得た分類定理が適用できないケースが多いので、その場合の不変量の構成も含めて分類や作用の構成を研究する。

次年度の研究費の使用計画

出張のための旅費をある程度見積もりしていたが、その見積もりより旅費がかからなかったため。
物品購入、及び出張旅費にあてる予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Unified approach to classification of actions of discrete amenable groups on injective factors2013

    • 著者名/発表者名
      Toshihiko Masuda
    • 雑誌名

      Journal fur die reine und angewandte Mathematik

      巻: 683 ページ: 1--47

    • DOI

      10.1515/crelle-2011-0011

    • 査読あり
  • [学会発表] Braided system上のgradingとLongo-Rehren inclusion2014

    • 著者名/発表者名
      増田俊彦
    • 学会等名
      作用素環論とその周辺理論の発展
    • 発表場所
      京都大学数理解析研究所
    • 年月日
      20140129-20140131
  • [学会発表] Orbifold構成法での障害が消えるための十分条件2013

    • 著者名/発表者名
      増田俊彦
    • 学会等名
      日本数学会函数解析分科会
    • 発表場所
      愛媛大学
    • 年月日
      20130924-20130927
  • [学会発表] フォンノイマン環上のロホリン的な流れの分類について2013

    • 著者名/発表者名
      増田俊彦
    • 学会等名
      第52回実函数論函数解析合同シンポジウム
    • 発表場所
      青山学院大学
    • 年月日
      20130904-20130906
  • [学会発表] Classification of group actions on von Neumann algebras2013

    • 著者名/発表者名
      増田俊彦
    • 学会等名
      Workshop on Operator Algebras ― for the 80th birthday of Masamichi Takesaki
    • 発表場所
      東京大学
    • 年月日
      20130510-20130512

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公開日: 2015-05-28  

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