研究課題/領域番号 |
23540250
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研究機関 | 国際基督教大学 |
研究代表者 |
山崎 満 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (30240732)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2016-03-31
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キーワード | 超局所解析 / 流体力学 / 双曲型保存則 / 特殊相対論 / オイラー方程式 / ボルツマン方程式 / 多重双曲型 / エントロピー |
研究実績の概要 |
(1) ボルツマン方程式の速度離散モデルについて、S.Y. Ha氏(ソウル国立大学・准教授)と共同研究している。解の安定性について一般的な枠組みでの結果を得て、湯川方程式への応用を模索中である。 (2) 粘性と毛管現象を加味した双曲型保存方程式の境界層解について、P.G. LeFloch氏と俣野博氏(東京大学数理科学研究科・教授)と共同研究している。この方程式の小さな初期値に対するRiemann問題の解の存在を示し、論文1編に纏めることができた。その後、条件を弱め、結果を拡張できる可能性が出て来たので、一旦、論文の投稿を止め、論文の加筆修正を試みている。 (3) 放物型-楕円型の反応拡散系の空間多次元モデルの時間大域解の存在について、D. Hilhorst氏(director of research, パリ南大学)との共同研究を開始した。Hilhorst氏が2015年1月に来日したときから、論文を書き始めてはいる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
放物型方程式の世界的権威である俣野博氏が新たに共同研究者として加わることとなり、多角的な分析が加えられつつあり、研究に新たな独創性を生み出しつつある。LeFloch氏と俣野氏との共著の論文はほほ完成しているが、手を加えたい所が1箇所だけ残っている。また、Hilhorst氏との共同研究は始めたが、これまで双曲型保存則系の特異摂動極限で培って来た私の経験と、放物型-楕円型の反応拡散系に対するHilhosrt氏の数多くの実績を融合し、論文を書き始めてはいるが、共同研究の時間がさらに必要である。
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今後の研究の推進方策 |
今後、私が渡仏する機会を増やし、Hilhorst氏との共同研究を密に行うことによって、短期間で研究成果が挙げられるように努める。また、研究課題のうち、特に粘性と毛管現象を加味した双曲型保存方程式の境界層解および湯川方程式に特に重点を置き、Ha氏との共同研究を加速させる。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用が生じた背景として、海外・国内出張を予定どおり消化できなかった点が挙げられる。平成27年度は、これらの未使用額も 合わせ、得られた研究成果を積極的に国際的な研究集会で発表して行く予定である。
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次年度使用額の使用計画 |
6月12日~23日、渡仏する。パリで10日間、Hilhorst氏と共同研究する。さらに、秋にも渡仏を計画している。また、Ha氏とは引き続きe-mailにて共同研究をする予定であるが、必要であれば、私がソウルに赴くか、同氏を東京に招聘する。LeFloch氏・俣野氏との共同研究は、俣野氏との共同研究の部分に再考の余地があるため、引き続き、俣野氏と直接、議論をして行く予定。
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