研究課題/領域番号 |
23540251
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
古谷 賢朗 東京理科大学, 理工学部, 教授 (70112901)
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キーワード | sub-Riemann 構造 / sub-Laplacian / spectral zeta 関数 / zeta determinant / Grushin作用素 / 熱核 / ベキ零リー群 / Heisenberg 群 |
研究概要 |
球面の接束の自明なsub-bundleがbracket generatingの性質を持つ場合は3次元、7次元及び15次元に限ることを証明した。又対応するsub-Laplacianの固有値の計算も、7次元の場合の余次元が3の場合も含めて部分的に行った。これは所謂自明なsub-Riemann構造を持っている多様体の典型例であることを個別に確認し、Laplacian では起こらない現象を見つける事が一つの目標であり、その構造を持つ他の場合の研究に向けた第一歩である。そこに現れる劣楕円型作用素のスペクトルゼータ関数の研究は従来の楕円型に対応する作用素(= Lapacian)より豊富な情報を含んでいるはずで、さらなる研究が待たれる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
数年来証明を考えていた15次元球面の余次元7の自明な部分束がbarcket generatingであること、及び球面の場合のそのような構造(球面の接束の部分束で自明かつ bracket generating)なものが存在するすべての場合について決定出来たことがその理由である。 sub-Laplacianの研究はまだ完成していないが、関連する事柄と合わせて継続中である。
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今後の研究の推進方策 |
(1)高次Grushin作用素の基本解の構成に取り組んでいるところである。これは高次ベキ零リー群の不変な sub-Laplacian から導き出されるものであるが、高次sub-Laplacian に対する熱核構成が出来れば導かれるものであるが、今年度は直接構成を目指している。 (2)sub-Laplacian の spectral zeta 関数の研究については一般論の展開でなく具体例の研究主眼を置いていて、そのために 2 stepベキ零リー群のうち、lattice を持つ general Heisenberg type群について、その全て(64通りが基本である)について先ずlatticeを構成する予定である。その後そのベキ零多様体の sub-Laplacian の spectral zeta関数の研究を行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
8月にドイツGreifswald 大学に約1ヶ月出張し、これまで共同研究して来たW.Bauer氏と研究を続ける(航空運賃+滞在費= 30万円+80万円=約110万円)。2014年2月にインドKozhikodeでのスペクトル理論に関する研究会に出席、研究成果の発表を行う(1週間程度、旅費+滞在費=約30万円+12万円=約42万円)。その他は新規にパソコン(約20万円)を購入予定と、必要な文房具(5万円、研究成果発表の為の国内旅費(約10万円)及び謝金(講演、アルバイト)、論文別刷り代(約10万円)を予定している。
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