研究概要 |
(1)高次Carnot群上のsub-Laplacianを余次元2の部分群による商空間にdescendした作用素(高次Grushin type 作用素という)の基本解の構成についての研究を行った。二通りの変数変換によるアプローチがあることが分かり、Bessel関数のWeber公式、変形Bessel関数、また球面調和関数を用いることにより、積分表示による展開式を得たが、次年度以降もある種のultra hyperbolic作用素の基本解構成との関連を中心に継続して行う(岩崎千里、Wolfram Bauer両氏との共同研究)。 (2)任意符号 {r,s} の2次形式に関するClifford代数Cl_{r,s}とその minimal admissible module から構成される一般Heisenberg type群における一様離散部分群の存在問題を研究した。これはMalcevの定理によって、対応するLie環 N_{r,s} に構造定数が有理数(2 stepの場合は整数に出来る)であるような基底の存在問題になるが、本研究ではより詳しく構造定数が 1, 0, -1のみを取るような基底の構成をすべての場合に行った。これは正定値の二次形式に関する場合(古典型Heisenberg type 群と呼んでいる)の拡張であり、N_{r,s}とN_{r+1,s+1}、又 N_{r,s}とN_{r+4,s+4} の関係や、Bott周期性との関連での一様離散部分群の相互関係も合わせて解明した(Irina Markina氏との共同研究。Journal of Lie Theory で受理され、電子版では公開されている)。
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