研究概要 |
1. Tタウリ型星 TWA-7 から、Tタウリ型星として最大規模のX線フレアをMAXIによって検出。この星には降着円盤や伴星が付随しないことから、従来提唱されてきた降着円盤や伴星の存在が巨大フレアの発生機構の重要要因であることの反例を実証した(Uzawa, Tsuboi, et al. 2011 PASJ 63, 713)。また、恒星の巨大フレアをMAXIでサーベイし、2年間で23個もの大規模フレアを発見した。結果、天体の自転速度がフレア規模を決める重要なパラメータであるヒントを得た(Tsuboi et al. 2011 4th Suzaku Science Conference at SLAC)。さらにこれら恒星フレアが銀河面X線放射(GRXE)の大部分として寄与している可能性をMAXIの結果を使って世界で初めて提唱した(Matsuoka et al. 2011 AIP conference proceedings 1427, 294)2. 前主系列星V773 Tau の多波長同時観測を行い、電波とX線でフレアを検出した(松村、他 2011 に本天文学会秋季年会)。3. 非縮退系天体最速クラスの4500km/s の星風を持つ、銀河系唯一のWO 型W-R 連星系をXMM-Newton 衛星で観測し、激しく吸収を受けた高温成分を初検出した(菅原、他 2011 に本天文学会秋季年会)。4. Chandra 衛星及びSpitzer 衛星で星生成領域L1228 とIC5146を観測し、原始星候補天体からのX線を確認した(宮崎、他 2011 日本天文学会秋季年会)。5. Wolf-Rayet 連星系WR 21aのX線光度を1978 年から2008 年にかけて調べ、通常の連星における変動とは全く異なる挙動を確認した(菅原、他 2012 日本天文学会春季年会)。
|