研究課題
昨年度に引き続き、分子雲スケールの星形成シミュレーションを遂行した。昨年度は5pc立方で2000太陽質量程度の標準的な質量(密度)のモデルを計算した。今年度は活発な星形成領域であるCygOB7を模したモデル、すなわち 5pc立方で1万大量質量の大質量(高密度)ガスを持つモデルを考えた。高密度モデルでは標準モデルの場合と比較して、ガスはより緻密なフィラメント構造を形成し、より活発な星形成が再現された。また大局的な流れの影響も調査し、大局的な流れが構造形成だけではなく観測的にも同定可能であることを示した。今年度は原始連星へのガス降着の研究を開始した。これは観測グループとの共同研究として行われ、ALMA Cycle-0 における原始連星 L1551NE の観測結果と比較するために、理論モデルを構築した。観測によって示唆される渦状腕とそれにともなうガスの運動が、数値シミュレーションにおいても再現された。シミュレーションは主に国立天文台のCfCA共同利用において利用可能なスーパーコンピュータを用いて行われた。数値シミュレーションコードには、研究代表者が開発した自己重力適合格子細分化(AMR)法コードSFUMATOを利用した。本研究期間においてSFUMATOコードの改良も行われ、従来空間2次精度であった数値スキームを空間3次精度に改良した。大規模シミュレーションの遂行によって日々発生する大量のデータを格納するために、本研究費を用いてハードディスクを増強した。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)
Monthly Notices of the Royal Astronomical Society
巻: Volume 438, Issue 3 ページ: 2278-2306
10.1093/mnras/stt2343
The Astrophysical Journal
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