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2011 年度 実施状況報告書

長周期連星系を用いた大質量星の進化の研究

研究課題

研究課題/領域番号 23540280
研究機関独立行政法人宇宙航空研究開発機構

研究代表者

前田 良知  独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 助教 (80342624)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワードX線天文学 / 大質量星
研究概要

軌道要素等が精密に求められている大質量星連星系の観測・データ解析を進めた。まずは国際的なキャンペーン観測を行ったHD193793システムについての結果をまとめている。 2011年9月にイギリス・エジンバラに世界各国の観測リーダーとの会合を行い、最新の最も正確な軌道要素や連星パラメーターについて意見交換した。我々からはX線を用いた新しい星風パラメーターの制限法について提案し、チーム内から高い評価を得ている。精密な軌道パラメーターと組み合わせ、準備中の論文に反映させている。速報的な解析結果を国内(2012年2月)、国際(2012年3月)の学会でそれぞれ報告している。 我々の新しい手法を用いれば、X線の吸収量を用いた不定性の少ない質量放出率を導出することができる。星風の加速パラメーター、密度およびそのムラ、重元素率などにほとんど依存しない。唯一のおおきな不定要素であった軌道要素が多波長のモニタリング観測により解決されたため、今回精度高い放出率を求めることができたのである。Secondary の WC7 型星の質量放出率は1.2 x 10-5 Mo/yr と導かれ、過去の観測より factor で小さな値になっている。WR星の質量放出率は、大質量星の進化そのものにおおきな影響を与えるパラメーターであり、かつ、その後の爆発(超新星)にも影響を与える根本的なパラメーターである。上記の学会で発表し、我々が見積もった値のインパクトについては、超新星やガンマー線バーストの研究者と意見交換をした。来年度以降の研究に反映させていく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

結果が出始めており、論文にまとめている段階まで進んでいるため。

今後の研究の推進方策

昨年度同様に、観測データの取得を進め、データ解析を行う。結果を論文にまとめていく。

次年度の研究費の使用計画

昨年度同様に、データ解析、学会発表及び論文制作費用に充てる。可視光追観測のための旅費にも充てる。キャリブレーション情報の取得のため、Spring-8 、KEK などの放射光施設への出張旅費にも使う。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] An X-ray spectral study of colliding wind binaries2011

    • 著者名/発表者名
      Sugawara, Y., Maeda, Y., \& Tsuboi, Y.
    • 雑誌名

      American Institute of Physics Conference Series

      巻: 1427 ページ: 296 297

    • DOI

      10.1063/1.3696211

  • [学会発表] 大質量星の質量放出率と星風加速の研究2012

    • 著者名/発表者名
      前田良知
    • 学会等名
      ガンマ線バーストで読み解く太古の宇宙
    • 発表場所
      東京都大田区
    • 年月日
      2012年2月6日
  • [学会発表] An X-ray study of mass-loss rate and wind acceleration of massive stars2012

    • 著者名/発表者名
      Maeda, Y
    • 学会等名
      IAU 279
    • 発表場所
      栃木県日光市
    • 年月日
      2012-03-12

URL: 

公開日: 2013-07-10  

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