研究課題/領域番号 |
23540282
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
二間瀬 敏史 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (20209141)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
キーワード | 重力波 / インフレーション |
研究概要 |
光速度に近い高速運動をする点状粒子に対する運動方程式の光的座標系にもとずく新たな定式化を行った。この方法に基づいて任意の重力場中のスピンをもった粒子に対する運動方程式を求める計算を行った。この問題はすでに多くの研究者によって行われているが、新しい方法によっても同様の結果が得られるかどうかは明らかではない。その結果、スピンと曲率の相互作用の係数に2分の1の違いが現れることが判明した。従来の方法による結果は、中性子星2つがパルサーとなって連星系をつくっている天体の運動から、その正しさが検証されているので、新しい方法には何らかの問題点があることが明らかになった。 また初期宇宙におこったインフレーション膨張からの密度揺らぎや重力波の計算法であるデルタN定式化と呼ばれる方法を詳細に検討し、この方法がタフだしいい結果を与える条件を示すことができた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
高速天体に対する運動方程式の新しい導出方法の問題点を明らかにすることができた。また初期宇宙起源の重力波については計算方法を確立することができた。
|
今後の研究の推進方策 |
高速天体の運動方程式について新たな方法の問題点が明らかになったことで、現在進めているスピンをもった場合をより詳細に検討する。
|
次年度の研究費の使用計画 |
高速運動をする天体からの重力波放射は一般相対論の多くの研究者が興味を持っていることであり、また重力波天文学にとってきわめて重要な問題であるので諸外国の研究者と議論をおこないうことが重要である。したがって主に専門家のいる研究所を訪問したり重力の国際会議に出席するための旅費として使用する。
|