インフレーション宇宙での真空状態に対してエンタングルメントの振る舞いを,場と相互作用する2つの検出器の理論モデルを用いて解析した.量子論固有の性質であるエンタングルメントの有無は,検出器の状態に対するnegativityとよばれる物理量を用いて判断される.その結果,ハッブル長さを超える大スケールにおいてはどのように検出器のパラメーターを選んでも場のエンタングルメントを検出することはできないことが明らかとなった.この結果はインフラトン場がハッブル長さを超える大スケールにおいて古典的に振る舞うという量子古典転移の裏付けになっていることを意味する.
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