研究課題
当研究課題は標準模型を越える理論として強結合ゲージ理論に基づく「ウォーキングテクニカラー」や「トップクォーク凝縮模型」などの複合模型によって質量の起源を解明することにあった。とくに、ウォーキングテクニカラーで予言した複合ヒッグス粒子としての「テクニディラトン」の性質を、「はしご近似」および「ホログラフィー」に基づいて研究し、LHC実験で発見されたヒッグス粒子がテクニディラトンと同定できることを示した。さらにこの理論で今後発見されるであろう他の複合粒子「テクニパイオン」、「テクニロー」の性質を具体的に明らかにし、H27年再開のLHCでの検証に備えた。この研究においては、新たに開発した「スケール不変なカイラル摂動論」と、これをさらに昔独創した「隠れた局所対称性」を含めて拡張したことが本質的である。一方、格子ゲージ理論における計算機シミュレーションで、SU(3)ゲージ理論のフレーバー数8の理論がウォーキングテクニカラーの候補であることを世界で最初に示したが、さらにこの理論がテクニディラトンの候補としての軽い複合スカラー粒子をもつことを世界に先駆けて発見した。LHCで検証されうるテクニローなどその他の複合粒子を含めてさらにデータを増やして解析し、LHC実験での検証に備えた。また、別のアプローチとしてLHCで発見されたヒッグス粒子をトップクォーク凝縮模型における複合擬南部・ゴールドストン粒子とする模型も提唱した。これはウォーキングテクニカラーとは異なる複合粒子を予言する。これらの性質についてカイラル摂動論に基づき分析し今後のLHC実験での検証に備えた。
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Proceedings of Science
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http://www.kmi.nagoya-u.ac.jp/CT/jpn/research/research_project_SCGT.php