初期宇宙における非平衡現象の解析には従来はボルツマン方程式、しかも分布関数の運動量依存性が平衡分布に比例するという仮定の下、粒子数密度に対する積分されたボルツマン方程式が主に用いられてきた。平衡状態からの逸脱が本質的である現象を正しく記述するためには、この仮定をしない解析が必要である。熱的レプトン数生成において、重いニュートリノの分布関数の運動量依存性を正確に取扱うとともに、レプトン数の変化を伴う散乱過程を取入れたボルツマン方程式を導出し、一部の数値解を得た。 また高温での理論の振舞を決める有効ポテンシャルを高次摂動論で高温展開を利用しない計算法を開発し、ゲージ・ヒッグス系に応用した。
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