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最終年度は中性子星の構造（サイズと質量）に関する研究に取り組んだ。高密度核物質においてハドロンからクォークへの相転移を考え、ハドロン相とクォーク相をそれぞれBrueckner-Hartree-Fock （BHF）モデルとnonlocal NJLモデルとで記述した。またハドロン－クォークの混合相もパスタ構造まで含めて取り扱った。その結果我々による2008年に発表した同様の計算（BHFモデルによるハドロン相とbagモデルのクォーク相）では再現できなかった重い中性子星の記述が可能になった。
また、フルに三次元の構造計算を低密度原子核物質に適用し、中性子星表面殻の力学的強度を計算する手法を開発した。まず、三次元での低密度原子核物質の基底状態を求め、体積を保存しながらそれを変形させたときのエネルギー増加率を計算する事で、剪断係数を求めた。その結果、われわれの新しいフル計算による剪断係数は、これまでの単純化された計算によるものより数パーセント低い、という予備的な結果を得た。またこの原因は、低密度原子核物質を構成する格子状に並んだ原子核の有限サイズの効果と、電子による荷電遮蔽の効果であると考察した。今後、この計算を有限温度に拡張する予定である。
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