研究課題/領域番号 |
23540337
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
大坪 隆 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (70262425)
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研究分担者 |
武藤 豪 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 講師 (90249904)
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キーワード | 不安定核 / 電磁気モーメント / 原子核偏極 / 低温 |
研究概要 |
本研究では中性子過剰の48Ca近傍での原子核の電磁気構造を調べるため、これらの電磁気モーメントをオンライン低温核偏極法で測定することを目的とする。現在この研究が可能なのはCERN研究所ISOLDE施設のオンライン低温核偏極装置NICOLEが唯一であり、我々はOxford大、Tennessee大、Leuven大等との国際共同研究グループを作り不安定核の電磁気モーメント測定を進めている。 本年度は昨年度に引き続き、NICOLEで発生した真空トラブルのため、主に修復のため原因調査を行ってきた。昨年度作成した真空冶具等を用い、5月に再調査を行った。このときにはこれまで行っていなかった液体窒素を用いた低温下でのテストを行った。その結果いくつかのリークは見つかったがテスト環境が不十分であったため、最終的にOxford社に低温テストを依頼することを決定した。さらに移送梱包のため12月に再び渡欧し作業を行った。平成25年1月にCERNからOxford社に移送し、現在Oxford社において原因調査中である。 これまで行った結果のうち、49Scについて磁気モーメントの初測定と48Ca二重閉殻近傍核の磁気モーメントに対する高次効果についてまとめPhysical Review Letterに発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究で使用するCERN研究所ISOLDE施設の低温核偏極装置NICOLEについて真空トラブルのため現在修復中である。平成24年度はこの修復調査のため5月に大坪及び武藤が現地に滞在した。このときにはこれまで行っていなかった液体窒素を用いた低温下でのテストを行った。その結果いくつかのリークは見つかったがテスト環境が不十分であったため、最終的にOxford社に低温テストを依頼することを決定した。 そこで移送梱包のため12月に再び渡欧し作業を行った。この際研究分担者武藤豪氏も同行する予定だったが、直前に検査入院が必要となったため動向は断念し、大坪と国際共同研究者とで作業を行った。平成25年1月にCERNからOxford社に移送し、現在Oxford社において原因調査中である。 データ及び制御システムの開発については、NMR用周波数シンセサイザを制御するためのシステムを開発中である。 研究に関しては、これまでにNICOLEで行った49ScのFe中での共鳴実験の解析を進め、初の磁気モーメント測定としてPhysical Review Letterで発表した。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度に引き続き本年度もNICOLEシステムの修復に集中する。低温テスト完了後、CERNに移送し、再組み立て稼動までを目標とする。 また修復後の実験のため、引き続きデータ及び制御システムの開発を進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度はNICOLEシステムの低温テスト及び修復を予定しており、このための国際共同グループの分担金に研究費をあてる予定である。また再設置時にCERN研究所の滞在する予定であり、旅費の使用も予定される。なお不足分については 研究代表者の研究費で補充する予定である。
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