素粒子実験用の粒子検出器の中には、荷電粒子が物質中を通過するときに生じるシンチレーション光のような極めて微弱な光信号を捉えることによって粒子を検出するものがある。本研究では、アバランシェフォトダイオードやマルチピクセルフォトンカウンター(MPPC)など、粒子検出器の受光素子の候補となり得る半導体受光素子の微弱光検出能力を評価する実験を行った結果、MPPCが最も高感度であることが分かった。特に、MPPCを-40℃程度まで冷却することによって、従来用いられてきた光電子増倍管などでは検出効率が著しく低下する光子7個程度の極めて微弱な光信号に対しても、100%近い検出効率が得られることが分かった。
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