研究課題/領域番号 |
23540341
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
谷垣 実 京都大学, 原子炉実験所, 助教 (90314294)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
キーワード | 計測系 / 摂動角相関 |
研究概要 |
本年度は収量の確認のとれているTe-130の6+準位の測定を実施する予定であったが、測定のために使用する予定であった施設である東北大学サイクロトロンRIセンターのAVFサイクロトロン本体とIGISOLが東日本大震災によって壊滅的な打撃を受けた。研究全体の遂行において必須の施設であるため、同センターの装置管理グループと協議を行い、復旧計画の情報提供をうけつつ磁気モーメント測定のための装置や設備の整備計画立案のための調査と作業を行った。その結果、現時点では24年度半ばよりビーム調整を開始出来る見込みであり、現時点では本研究内で目標としている磁気モーメント測定は期間内には遂行可能な見込みである。施設復旧までの間に摂動角相関のための装置開発を先行して進めることとした。グルノーブルで行われたICALEPCS 2011に参加して計測技術に関する情報収集を行った。White Rabbitという精密な時間同期システムに関する情報を収集したところ、摂動角相関で求められる検出器間あるいは加速器のビームバーストと検出器のイベント間の精密な時間同期への応用の可能性が判明した。この時間同期ができれば摂動角相関測定中のバックグラウンドノイズを大幅に減らせる可能性があるため、引き続き調査を進めている。その他24年度に実施予定の積分型摂動角相関の実験の効率向上を目指し、ナショナルインスツルメンツ社のLabVIEWをつかった多数の検出器の同時制御の方法の研究を進めた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度実施予定であったTe-130の6+準位測定に使用する、東北大学サイクロトロンRIセンターのAVFサイクロトロン及びIGISOLが東日本大震災で被災し使用不能になっている。このため、復旧の見込みである24年度半ば以降まで実施を延期せざるを得ない。
|
今後の研究の推進方策 |
23年度に実施出来なかったTe-130の6+準位の測定については24年度半ば以降の設備復旧後に速やかに実施する予定である。検出器系の開発・整備は特に問題はないので今年度の調査で得られた新たな知見を基に引き続き行う予定である。京大炉で実施可能なNd、Smの内部磁場測定モーメント測定等は予定通り進める。
|
次年度の研究費の使用計画 |
東北大で実施予定であった磁気モーメント測定に掛かる旅費・物品費等の繰り越しが発生している。これは東北大の設備の復旧次第順次執行する予定である。その他については当初計画より変更はない。
|