研究課題
本研究は光陰極電子銃から高輝度電子バンチを生成し、マイクロバンチ不安定性の由来とメカニズムを解明することが目的である。500kV光陰極電子銃をビーム源とし、スミスパーセル放射光のスペクトル計測により、電子銃生成ビームのマイクロバンチ不安定性を測定する計画である。光陰極電子銃からの高輝度電子バンチ生成に関しては、従来の350kVを越える500kVで1.8mAの大電流ビーム生成という世界初の成果を挙げた。次世代エネルギー回収リニアック(ERL)放射光源用の電子源として開発しているが、高繰り返しX線自由電子レーザー、偏極電子ビームコライダーなど、次世代加速器用電子源としても注目を集めている。本電子銃はKEKで開発中のcERL試験加速器電子銃に採用され、2012年10月から利用に供されている。cERLにスミスパーセル放射光計測システムを導入して本研究を続けるのは容易でない。そこで、東日本大震災に伴う実験室建屋改修工事(2012年度末まで)のため運転を停止していたJAEA250kV光陰極電子銃の再立ち上げを行った。今年度は1e-9Paの真空の達成、レーザー波形整形用結晶を準備しマイクロバンチ不安定性研究のためのビーム生成の目処をたてた。引き続き、250kVビームを用いて本研究を継続する。マイクロバンチ不安定性の研究については、SPring-8のSCSS試験加速器で行われた実験にも参加した。この実験で、熱陰極電子銃であっても、強い電子バンチ圧縮を行うとマイクロバンチ不安定性が起きることが明らかとなった。光陰極電子銃を用いたスミスパーセル自由電子レーザー放射光源の研究に着手し、回折格子を準備した。250kV電子銃を用いて研究を継続する。
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