近年電気2重層の方法により絶縁体の結晶表面に強力な電場をかけ、低温で超伝導現象を発現させることが可能となってきた。そこで本研究では、超伝導を引き起こすキャリヤがどのように注入されるのか、またキャリヤが注入された結晶がどのような電子状態を示すのかを明らかにするため、特にダイヤモンドやシリコン結晶に注目して、表面近傍のキャリヤ密度の計算を第一原理計算により行った。 その結果、実験的に実現可能な電場下では、約1パーセント程度のキャリヤ密度が表面に誘起されることがわかった。この結果から、ダイヤモンド表面においても超伝導を発現させることが可能ではないかと推測された。
|