強磁場下で金属状態から超伝導、低磁場下で金属から絶縁体への「非」金属状態に転移することが知られているλ-(BETS)2FeCl4系で有機分子のπ伝導電子スピンとFeの局在d電子スピンのπ-d相互作用がこれらの転移にどのような役割を果たすのかをNMRを用いて微視的に研究した。 λ-(BETS)2FeCl4のGa部分置換系において伝導電子サイトでのNMR吸収線形の解析により、「遍歴している伝導電子が希釈されたFeからの内部磁場を平均的に」感じている事が明らかになった。 また、低磁場領域でNMR緩和率の測定から、πスピンが反強磁性転移に寄与している事が確認できた。
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