研究実績の概要 |
本研究では、この系における三角格子をなすスピンが、自発電気分極の発生のみならず、[1] d-p軌道混成機構に起因する1軸応力による電気分極の制御、[2]各磁気相に固有な誘電分散、[3] 磁場掃印による螺旋磁気伝搬波数の変化に起因すると思われる電気分極の誘起、といった最近我々が見出しつつある特異な交差相関応答にどのように 本質的な役割を果たしているかを明らかにすることを目的として研究を開始した。 (延長した)4年目は、3年目の研究活動として(H26年3月に予定していたが延期になっていた)ドイツ中性子散乱施設HZBでの出張実験の再開を待ったが、HZBはH27年3月までは再起動しなかったため、予算は実験室における分極測定の寒剤(液体ヘリウム)に用いた。3年目に[1]の拡張として行った二等辺三角格子CoNb2O6における交換相互作用の一軸応力による制御を論文(Uniaxial-pressure control of geometrical spin frustration in an Ising antiferromagnet CoNb2O6 viaanisotropic deformation of the isosceles lattice,PHYSICAL REVIEW B 90, 060412(R) (2014)としてまとめた。
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