研究課題/領域番号 |
23540444
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
佐藤 正英 金沢大学, 総合メディア基盤センター, 教授 (20306533)
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研究分担者 |
佐崎 元 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (60261509)
鈴木 良尚 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 准教授 (60325248)
勝野 弘康 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 研究員 (70377927)
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キーワード | 結晶成長 / ステップ / 不純物 |
研究概要 |
本研究では,今年度は不純物が結晶表面に周期的ついた場合における,2次元的な結晶島の拡散について計算機シミュレーションにより調べた。一般的に結晶表面に付着した不純物があると,あたかもピンのような働きをしてステップの前進を妨げることが知られている。このことから,2次元島の拡散は不純物により妨げられるであろうと予測していた。 不純物濃度が低いときには,予測通りに,拡散を妨げる働きをした。しかし,不純物密度が高くなると,逆に拡散が促進される現象が見られた。これは,同一平面内の近接原子との接合がないタイプの不純物を想定したために,不純物に隣接した原子が離脱しやすいためであることが分かった。さらに,不純物の挙動としては気相との直接的な吸着離脱が主たる過程であることも重要であることが分かった。この結果については,結晶成長国際会議(8月,ポーランド)でポスター発表し,論文をJournal of Crystal Growthに発表した(現在印刷中)。 実験グループでは,卵白リゾチーム存在下でのグルコースイソメラーゼ結晶の平衡温度について検討した。グルコースイソメラーゼに卵白リゾチームを添加して核生成させると,添加物濃度により結晶のアスペクト比が変化することが分かっていた。今年度はこれが成長速度の異方性によるのか,過飽和度の変化によるかについて調べるため,位相差顕微鏡で温度制御しながら,角度観測法により平衡温度の測定を行った。卵白リゾチームを添加したグルコースイソメラーゼと添加しないグルコースイソメラーゼについて測定を行うことで,卵白リゾチームがグルコースイソメラーゼ内部に取り込まれることで平衡温度の変化を起こしている結果が得られた。また,X線構造解析からもその結果を支持する結果が得られた。これらの結果については,結晶成長国内会議(11月,長野)で報告した。
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