研究課題/領域番号 |
23540458
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
青木 圭子 東邦大学, 理学部, 訪問研究員 (90252163)
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研究分担者 |
大西 楢平 東邦大学, 理学部, 訪問教授 (50459822)
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キーワード | 液晶相 / 分子動力学 / ホッピング輸送 |
研究概要 |
ソフトマターの代表的な物質である液晶の等温・等圧分子動力学シミュレーションを系統的に行ってきた。特にその中でも異方性が強く、生体膜との関連からも注目されるヘキサティック・スメクティックB(HexB)液晶相を中心に様々な物性値の測定を行ってきた。特に、熱力学平衡状態のみならず、数多くの準安定状態を発見し、系統的にシミュレーションを行った。その結果、実験から知られていた高次の6n回ボンド配向秩序パラメータのスケーリング則が、熱平衡状態のみならず、すべての準安定状態でも満たされている事がわかった。また、これらの HexB 準安定状態では、各層のボンド配向秩序の相関が異なっている。ゆらぎの大きい系(比較的粒子数が少なく相転移温度近傍)では、複数の HexB 準安定状態を系が熱ゆらぎによって遷移している様が観察され、準安定状態間の遷移による接合具合や頻度などのデータを長いシミュレーションを行うことによって得ることができた。現在、これらのデータをネットワーク理論によって解析している。 また、スメクティックA (SmA) 液晶相では、層間の擬1次元的なホッピング輸送が観察されており、HexB 液晶相で見られる擬2次元的なホッピング輸送と併せて解析を行った。 さらに、ソフトコア球の系の準安定状態に現れる擬3次元的なホッピング輸送との比較も行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ヘキサティック・スメクティックB液晶相の解析は、国際会議において口頭発表するほど成果が得られている。また、ホッピング輸送という面からの解析は、他の共同研究者とともに今回の液晶系も含む広い視点からから概観することができ、その成果は解説記事として出版された。
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今後の研究の推進方策 |
研究代表者と分担者が協力しながら、初年度からシミュレーションデータをさらに深く解析していくとともに、全体のまとめを行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
最終年度である今年度は、研究のまとめとともに、成果の発表を積極的に行いたい。従って、成果物の出版および学会発表の旅費に主に研究費を使う予定である。 昨年度は、研究代表者が参加、発表した学会における旅費が計画当初より高くなり、研究分担者の承諾の下、研究費の使用計画を変更した。しかし当初の研究には支障なく順調に進展している。
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