透析や乾燥による高分子溶液の異方性ゲル化を、ゾル・ゲル境界面に着目して調べた。ゾル・ゲル境界面における熱力学的不安定化が異方性ゲル化を引き起こすことがわかった。熱力学的不安定状態での高分子鎖の配向ダイナミックスを構築した。一般化されたmoving boundary描像を完成させ、4回対称または一軸性のゲル形成過程を解析した。この結果より、異方性ゲル化を制御する方法を考案した。乾燥によるゲル化は界面律速で透析によるゲル化は拡散律速であるが、熱力学不安定化の速度に注目することで、この2つのゲル化ダイナミックスを統一的に理解できることが分かった。
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