地震の発生における間隙流体の役割を解明することを目的に, 従来の地震メカニズムトモグラフィー法(Terakawa et al., 2010)を発展させ,地震のメカニズム解から地殻内間隙流体圧場の時間発展を推定する手法を開発した.本手法をスイス・バーゼルの注水実験で得られた最新かつ高品質の誘発地震データに適用し,注水刺激により地熱貯留層内に間隙流体圧場が形成されてゆく様子(10日間)を再現することに成功した.これにより,地震の発生における地殻流体や応力の役割を定量的に分析することが可能となり,大地震の発生過程を評価できる可能性が見えてきた.
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