沈み込み帯には巨大地震を伴うもと伴わないものがある。後者は、伸張場の応力場の下にあるとされ、琉球海溝はそのうちの一つと考えられていた。琉球海溝でこの地域に1771年大津波が襲い、波高は30mに達したことが明らかにされている。本研究では、完新世の地層の5カ所で発掘調査を実施し、過去3回の津波:1771年、今から約800年、約2000年前が襲ったと考えられる。他には、同規模の津波の襲来は考えられない。この津波は、1771年の遡上津波高分布に基づくと、琉球海溝で発生したプレート間逆断層地震と考えられ、相対沈み込みすべり量の20―30%が地震時の滑りとなっていると考えられる。
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