研究課題/領域番号 |
23540499
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
吉本 和生 横浜市立大学, 生命ナノシステム科学研究科, 教授 (10281966)
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研究分担者 |
中原 恒 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (20302078)
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キーワード | 地震波干渉法 / 地盤構造 / 地震基盤 |
研究概要 |
本研究では、強震動観測を容易にするための小型・低消費電力の強震動観測システムの開発と、同システムと地震波干渉法を利用した高空間分解能の大深度地盤構造の解析手法の確立を目的としている。このことにより、将来的に関東平野では、首都圏地震観測網(MeSO-net)や首都圏強震動総合ネットワーク(SK-net)などの観測点と合わせて、1千箇所以上での強震動記録の集積が可能となり、その解析から堆積層中の地質境界や地震基盤の深度の地域変化を水平方向に数kmの空間分解能で明らかにできるものと期待される。 本研究の二年目にあたる本年度は、主に新しい地震波形データの取得のための地震観測と波形データ解析による関東平野の大深度地盤構造の推定を行った。前者については、既設の地震観測点の少ない関東平野北東部における大深度地盤構造を高空間分解能で推定するために、MeSO-netやSK-netなどの地震観測点の隙間を埋めるように、埼玉県春日部市やその周辺の7地点での臨時地震観測を開始した。後者については、地震波干渉法によって、関東平野に展開されている既設の地震観測点(MeSO-netやSK-netなど)で収録された近地地震の波形データを解析し、各観測点下における地盤構造を推定するとともに、東京ガス㈱の超高密度地震防災システムSUPREMEのSIセンサによって収録された近地地震波形も解析データに追加することによって、従来よりも飛躍的に高い水平空間分解能で関東平野の一部の地域における地震基盤構造を推定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
・関東平野に設置されている地震観測点で収録された近地地震の波形データをK-netフォーマットに変換してデータベース化した。 ・地震波干渉法によって、関東平野に展開されている首都圏地震観測網(MeSO-net)や首都圏強震動総合ネットワーク(SK-net)の観測点などで収録された近地地震の波形データを解析して、各観測点下における地盤構造を推定した。 ・既設の地震観測点の少ない関東平野北東部における大深度地盤構造を高空間分解能で推定するために、MeSO-netやSK-netなどの地震観測点の隙間を埋めるように、埼玉県春日部市やその周辺の7地点での臨時地震観測を開始した。 ・東京ガス㈱の超高密度地震防災システムSUPREMEのSIセンサによって収録された近地地震波形を地震波干渉法によって解析し、従来よりも飛躍的に高い水平空間分解能で関東平野の一部の地域における地震基盤構造を推定した。 ・これまでに関東平野北部で実施されている反射法地震探査、屈折法地震探査、及び深層井調査などの情報を文献調査などにもとづいて集積し、数値データ化した。
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今後の研究の推進方策 |
研究はおおむね順調に進展しており、本研究の最終年度になる次年度には、主に以下の計画に従って研究を進める。 ・関東平野に設置されている地震観測点で収録された近地地震の波形データをK-netフォーマットに変換してデータベース化する。 ・地震波干渉法によって近地地震の波形データを解析して疑似反射断面を合成する。得られた疑似反射断面図にもとづいて、測線下における堆積層内の地質境界(例えば、上総層群相当層と三浦層群相当層の境界)と地震基盤の深度がどのように変化するのか明らかにする。 ・本研究の成果と既存の反射法地震探査や屈折法地震探査などの地下構造調査の成果を統合して、関東平野の新しい大深度地盤構造モデルを構築する。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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