本研究の目的は、未飽和環境での飽和気塊の安定性について湿潤断熱仮温度減率を用いた理論の有効性を、観測、および、数値実験の結果を用いて調べ、さらに、それを使った対流パラメタリゼーションスキームの開発を行うことであった。 観測結果の解析では、おおむね良好な結果を得た。適当な外部条件を与え平均的にバランスした状況下での対流を数値モデルで生成して、その条件を調べることに関しては、外部条件として、海面からの熱供給、水平移流、大規模沈降流を与えバランスした状態を作ろうとした。しかし、外部条件が一定でも、対流の組織化が起こる場合と起こらない場合とで、平衡状態が1つに決まらないことが明らかになった。
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