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2012 年度 実施状況報告書

衛星直接観測と地磁気逆計算法によるオーロラ電流系の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23540524
研究機関名古屋大学

研究代表者

家田 章正  名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教 (70362209)

キーワード国際情報交流(米国)
研究概要

地球の極域電離圏(高度100km)夜側では、数時間に一度、オーロラが爆発的に増光する。このオーロラ爆発は、より高々度の磁気圏尾部に蓄積された電流エネルギーが、電離圏にショートする現象であると考えられる。
本年度は、オーロラ爆発開始1-2分前に、FAST衛星およびDMSP衛星が観測した、オーロラ電子を調べる。オーロラ爆発の開始時刻・位置は、Polar衛星の紫外線オーロラ観測を用いて同定した。また、開始2分前のオーロラアークの同定には、DSMP衛星の可視光オーロラ観測を用いた。
オーロラ爆発の開始1分前に、開始地点(MLT=21.4,MLAT=62.2)付近をFAST衛星が南北に通過した。FAST衛星の高度は1800kmであり、加速域よりも低高度であったと考えられる。FAST衛星は、オンセット緯度付近において、9keVのdiffuse電子、低エネルギー(1keV)の逆V電子、1keV以下のbroadbandな電子を観測した。これらの電子は、DSMP画像において、discreteアークに、空間的に対応していた。
一方、オーロラ爆発の2分前には、DMSP衛星が開始地点の西(15度)において、10keVのdiffuse電子と、300eV以下のbroadbandな電子を観測した。これらの電子は、DMSP画像において、diffuseアークに対応していた。以上の観測結果より、オーロラ爆発直前に、diffuseアークがdiscreteアークに変化することは、broadbandな電子の最高エネルギーが上がることに対応する、すなわち、加速域のCavityが発達し、アルベン速度が上がることに対応していると考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

(1)ファスト衛星により直接観測された南北電流ペアが、経度方向に局在化しているか否かを、地磁気逆計算法による推定により調べた。地磁気逆計算法の結果の妥当性はファスト衛星の磁場・粒子・電場データを用いて検証した。ただし、ファスト衛星のデータは、当年度に再キャリブレイションが行われたために、本検証も再実行する必要がある。
(2)地磁気逆計算法を用いて、オーロラ電流の成分を、電場に平行な成分(Pedersen)と、電場に垂直な成分(Hall)とに分解した。
(3)大容量メモリ(48GB)搭載の計算機を購入する予定であったが、所属研究所自体の移転のために、購入を来年度にすることに変更した。
(4)ファスト衛星が観測したオーロラ爆発について、地球電磁気・地球惑星圏学会に於いて成果発表を行った(2012年10月21日、札幌)。

今後の研究の推進方策

今後も、概ね当初予定通りに、研究を推進する。ただし、ファスト衛星の粒子データが再キャリブレイションされて、値が変わったために、次年度はまず、この影響を調べる。また、当初計画では強調されていなかったが、見通しが立ったために、静穏時電離層電気伝導度のモデル化を行い、地磁気逆計算法を改良する。

次年度の研究費の使用計画

当初計画では、本年度に計算機を新規購入する予定であったが、所属研究所の移転との兼ね合いで、移転後に購入することにした。移転はほぼ終了したため、次年度に計算機を購入する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] オーロラ爆発直前の降下粒子

    • 著者名/発表者名
      家田章正、堀智昭、関華奈子、宮下幸長、藤本正樹、西村幸敏、R. Strangeway、町田忍、G. K. Parks, J. P. McFadden
    • 学会等名
      地球電磁気・地球惑星圏学会
    • 発表場所
      札幌

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公開日: 2014-07-24  

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