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2012 年度 実施状況報告書

断層岩・マイロナイト形成のエネルギー -地質学・物質地震学の新展開-

研究課題

研究課題/領域番号 23540527
研究機関筑波大学

研究代表者

滝沢 茂  筑波大学, 生命環境系, 講師 (80114099)

キーワード1軸破壊実験 / 弾性ひずみエネルギー密度 / 粉砕粒子の比表面積 / 粉砕粒子の結晶化度 / Rittinger法則
研究概要

1. 花崗岩の1軸圧縮破壊実験で、破壊時の弾性ひずみエネルギー密度と粉砕粒子の比表面積の関係を解析した結果、弾性ひずみエネルギー密度と粉砕粒子の比表面積は線形の関係になっていることが明らかになった。この結果はRittingerの粉砕法則、すなわち弾性ひずみエネルギー密度と粉砕粒子の比表面積は正比例する、この法則が花崗岩の破壊実験的でも成立する事を検証した。この成果は弾性ひずみエネルギーが破壊時に分配されるとき、粉砕粒子の表面積が占めるエネルギー率を推定することが可能であることを意味している。
2. 4.11いわき内陸地震断層で生成された断層ガウジの組織、粉砕粒子の比表面積測定、XRDによる鉱物同定、走査型・透過型電子顕微鏡によるナノサイズ粒子の形状、結晶化度の解析を進めている。
3. 年度末の3月から、防災研が行っている実スケール地震すべり実験に参加して、人工地震すべりで生成された粉砕粒子(ガウジ)の物質科学的な解析を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

1.従来、地球科学分野では注目されていなかったRittinger法則が破壊エネルギーと粉砕粒子に比表面積の両者に成立することが明になり、この検証は今後は露頭における断層ガウジから破壊エネルギーを検討する道を開いた事はきわめて重要である。
2. 実スケールの人口地震すべり実験に参加して、実験で生成された粉砕粒子とすべり面上での仕事量を定量的に解析する研究として、この実験も世界初であり、成果を期待して進めている。

今後の研究の推進方策

1. ハンレイ岩を使い、1軸圧縮破壊時の弾性ひずみエネルギー、粉砕粒子の比表面積測定を行う。このとき、ひずみゲージ、Arガス、測定用セル、液体N2などの消耗品経費を要する。
2. 粉砕粒子の結晶化度を解析するために、電子顕微鏡試料作製準備、XRD同定用の試料作製、消耗品経費を要する(テフロンパイプ、単孔メッシュ、マイクログリット)

次年度の研究費の使用計画

該当なし

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] X-ray photoelectron spectroscopic study on the goethites with variation in crystallinity and morphology: their effects on surface hydroxyl concentration2012

    • 著者名/発表者名
      Takuya Echigo, Tamao Hatta, Seiko Nemoto and Shigeru Takizawa
    • 雑誌名

      physics and Chemistry of Minerals

      巻: 39 ページ: 769-778

    • DOI

      DOI 10.1007/s00269-012-0531-y

    • 査読あり
  • [学会発表] 弾性歪エネルギーの散逸機構の再検討

    • 著者名/発表者名
      滝沢茂・酒井亭・角田裕一・小澤佳奈
    • 学会等名
      日本地質学会
    • 発表場所
      大阪府立大学

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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