研究課題
平成25年度には,岐阜福井県境の冠山地域・若丸山地域・能郷白山地域,三重県多気郡大台町薗川流域,同県熊野市ツエノ峰地域,北アルプス蝶が岳周辺,南アルプス北岳周辺,山梨県山梨県南巨摩郡天子山地で山体重力変形地形の調査研究を行った.冠山地域では冠山峠西方の県境稜線南側にある複数列の山向小崖地形の凹地においてピット掘削を行い,凹地埋積堆積物の岩相を記載し,木片の放射性炭素同位体年代を測定し,挟まれるテフラの同定を行った.その結果,これらの山向小崖は最終氷期中の温暖期あるいは最終氷期直後の温暖化期に形成されたことが明らかとなった.若丸山地域の研究は千葉大学との共同研究として行った.稜線上の二重山稜凹地でハンドオーガーボーリングを実施した.能郷白山地域で最後まで空白域であった白谷上流部を調査するため,水資源公団所有の船舶により徳山湖奥までアクセスしキャンプを設営,地形・地質調査を行った.薗川上流で掘削したせき止め湖堆積物のボーリングコアについて,薄片観察・元素マッピングを行い,マイクロ層序を確立しイベントの周期性について考察した.ツエノ峰地域のせき止め湖堆積物のパーカッションボーリングコアのテフラ分析を行い,このせき止め湖堆積物が過去数千年間で堆積したものであることを明らかにした.蝶ヶ岳・北岳では地形・地質調査を行い,平成26年度にボーリング掘削を行うための許可申請に必要な情報を収集した.天子山地の調査はJR東海コンサルタンツ(株)との共同研究として行った.以上の調査結果は,地球惑星科学連合2013年大会,日本地質学会などで発表し,2014年にはイタリアで開催される国際応用地質学会で発表する(発表論文は受理されている).また,Environmental Earth Sciences誌に投稿した論文は出版され,Engineering Geology誌に論文を投稿した.
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (5件) 備考 (1件)
Environ. Earth Sci
巻: vol.71 ページ: 2753-2763
10.1007/s12665-013-2654-y
地形
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日本応用地質学会平成25年度研究発表会講演論文集
巻: 2013年版 ページ: 7-8
巻: 2013年版 ページ: 177-178
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http://www1.gifu-u.ac.jp/~skojima/index.html