三角州平野で発生した地すべり堆積物の特徴を記載し,その発生メカニズムを明らかにした.主な調査対象はネパールカトマンズ盆地と岐阜県東海層群の地層である.地すべり発生の引き金は湖近傍での地下浅部の液状化と地盤の傾動である.地震に伴って発生した液状化層の上に重なる泥質堆積物が,地盤の傾動により湖方向に移動を開始する.湖に入りこんだ地すべり塊の先頭が,後続の地すべり塊を引く形で移動が起こる.地すべりは傾動した地盤が湖の側に押されることで発生するため,内陸部では地すべり塊はブロック化したと解釈される.内陸部では泥の液状化・流動化が発生したため,ブロック化した地すべり塊は流動化した泥に取り込まれた.
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