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2012 年度 実施状況報告書

種分化過程における浮遊珪藻形態変遷の高時間分解能復元

研究課題

研究課題/領域番号 23540543
研究機関秋田大学

研究代表者

山崎 智恵子(嶋田智恵子)  秋田大学, 工学(系)研究科(研究院), 研究員 (60597186)

キーワード国際情報交換
研究概要

海生浮遊珪藻のNeodenticula属は,出現順にN. kamtschatica, N. koizumii,N. seminaeの3種から構成され,(1)生存期間の相互関係や(2)全種が亜寒帯北太平洋外洋域で産出し,大西洋や南半球では極めて稀という地理的分布の一致,(3)形態の類似性から,Nitzschia rolandiiを祖とする単系統であると推定される.この3種は,それぞれ広範囲かつ同時的に消長し,模範的な示準生物として北太平洋域における有用な化石層序基準面を提供する.また,短期間でこの属内の種構成が大きく遷移した2.65Ma前後が,北半球に大陸氷床が発達し,亜寒帯太平洋が苛烈な環境変動を伴い現在のような気候システムに移行し始める時期と重なるのは興味深い.本研究課題では平成24年度,北西太平洋海域(三陸沖)で得られたOcean Drilling Program Site1151A試料の当該層準約100試料を用いて, Neodenticula形態の時間分布を精度良く明らかにすることを目的とした.その結果,カムチャッカ半島東方沖合で2.5Ma前後のみに多産する「奇形」ともいうべき形態の出現タイミングは,三陸沖Site1151Aにおいてもほぼ一致し,この形態事件が北西亜寒帯太平洋の広域で生じたことが明らかになった.なお,堆積物乾燥重量あたりの珪藻絶対殻数(#/g)は明瞭な振幅を示したが,これが約4万年周期の氷期間氷期変動を反映しているのかは,群集組成や有孔虫殻の酸素同位体比層序との比較検討が必要になる.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究開始年度に所属機関の大規模リノベーションが実施され,研究に割く時間が大幅に削られたことによる遅延が現時点でも解消されていないが,珪藻分析に関してはルーチンワークに入ったため,今後はデータが集積していくことが期待できる.

今後の研究の推進方策

試料の処理法について抜本的な見直しを行い,作業のルーチン化・効率化を図ったため,今後は順調にデータが集積していくと期待できる.

次年度の研究費の使用計画

最終年度は国内での学会発表(日本古生物学会例会,於 熊本大学)を行い,同業研究者との議論を深めさらに考察を進める.論文執筆の準備も行う.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 外洋性浮遊珪藻Neodenticulaの形態多様性とNorthern Hemisphere Glaciation2013

    • 著者名/発表者名
      嶋田智恵子・田中裕一郎
    • 学会等名
      日本古生物学会
    • 発表場所
      熊本大学
    • 年月日
      20130628-20130630

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公開日: 2014-07-24  

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